2014年6月10日火曜日

Shadow Warriorをレビューしてみよう

もう何年も更新してなかったので最近やったゲームでもレビューしてみよう。

今回紹介するゲームはFlying Wold Hogが開発した、Shadow Warrior。

原作のShadow Warrior。DOS版はSteamで無料で入手可能。
昔DOSゲーとして発売された同名のFPSの続編。同じ名前だからリメイクかと思ったら続編で、ストーリー的には前日談。
DOS版のShadow Warriorは意図的に勘違いしたと思われる近未来の日本の描写や、喋りまくる主人公、マップのあちこちにある日本のアニメのポスター、
小型核弾頭を撃つと主人公が「Just like Hiroshima!」とか言うなど、ブラックユーモアに溢れた衝撃作だった。

そして続編の今作の特徴はなんと言っても、刀、カタナ、KATANA。
前作でも刀は有ったが、振り回すだけで強力ではあったものの、さほど大きな存在感は無かった。
だが、今回は刀を使ったアクションが豊富に用意され、敵の切断描写のリアルさ、豪快さも有って非常に爽快である。
ストーリーも魔剣、ノビツラ・カゲを巡る話で、ゲーム全体として刀を大きくフィーチャーしたものとなっている。

パン屋さん。ブラックユーモアは抑え気味だが、こういったお遊びは健在。

一応マシンガンやロケットランチャーなどの火器も存在するのだが、刀が強すぎて相対的に価値が低い。
金や経験値で自分や武器を強化していくシステムが存在し、最終的には刀の攻撃で敵の体力を吸収したり、衝撃波を出して遠くの敵にも攻撃できるようになったりするのが益々拍車をかけている。
あとダッシュの存在でヒット&アウェイが簡単に出来るのも。
その分操作は複雑になるが、多分アーマードコアとかに慣れてる人はすぐ対応出来るはず。
ただし、クロスボウの溜め撃ちだけは取っておいたほうがいい。無いとボス戦で困る。
ちなみに刀自体もストーリーを進めるごとに自動的に強化されていき、最終的にはゼルダのマスターソードみたいに衝撃波が出し放題になる。

もう一つ、主人公が使えるアクションとしてパワーが存在する。
いわば魔法のようなもので、回復したり敵を拘束したり出来る。これらはノーコストで使えるので、駆使出来れば非常に強力。
ただし、使いすぎると敵が怒ってパワーアップするというデメリットも存在するので、闇雲に使うのは避ける必要がある。

突き技。前、前、攻撃、と言った感じで格ゲーっぽくコマンドを入力すると出せる。

マップのデザインは探索や謎解きより戦闘に集中出来るように単純な構造の物が多く、迷って何十分も徘徊するようなことは少なかろうと思う。
ちなみに私は方向音痴なので1時間くらい迷ったマップが有りました。
舞台は勘違い日本や港湾地帯などバリエーションに富んでいるが、どれも美しいグラフィックでしっかりと作られている。

マップの各所にはシークレットが配置されていて、そこに経験値アイテムが配置されているので、これを集めるのと集めないのとでは難易度がガラっと変わってくる。そこだけ注意。
まぁ、私はシークレット気にしないで進めても問題なくクリア出来たから、さほど気にしないでも良いのかも。Heroicモードだったら絶対探さないとダメだろうけど。

ちょっと気になったのは、敵の種類が少なすぎること。
大まかに大中小の3種類に分かれてて、そいつらに亜種が数種あるだけってくらいバリエーションが薄い。
特に後半はでかくて堅い敵ばかりがたくさん出てきて人によっては爽快感が感じられなくなってくるかも。

ゲーム全体の難易度は前述の通り刀アクションやパワーを駆使できればかなり低い。ある程度FPSに慣れた人であればいきなり高難度に挑戦しても問題ないレベル。
むしろ低難度でやったらヌルゲー過ぎてすぐ飽きちゃうかも。

一度クリアすると強くてニューゲームが出来るので、逆にきついと思う人は低難度で一度クリアしてから強い状態で高難度に挑戦するというのもアリかも。
ただしHeroic(デフォルト最高難度のInsaneより上の難易度、一度クリアすると解放される)は選択出来ないので注意。

何故かきちんと漢字で警視庁と書いてあることに感動した。

総括

・なんと言っても刀アクションの爽快さ。敵のどまんなかで回転斬りを決めたときなど脳汁が出る。
・舞台のロケーションにメリハリがあり、描写も丁寧。
・強化システムが豊富で、だんだんと自分が強くなっていくのが実感しやすい。
・回復パワーのおかげで、回復アイテムが無くて詰むということがおこらない。
・ダッシュの存在により、刀だけでも多方に散らばっている敵を相手にしやすい。
・全体的に主人公が強いゲーム。
・ブラックユーモア要素は鳴りを潜めたものの、主人公のお喋りや、シークレットでのお遊び要素などは健在。

・銃火器の価値が相対的に低い。特に後半は銃火器だけでは敵を処理しきれないと思われる。
・回復がノーコストで行えるため、死にそうになったら逃げ回りながら回復という戦法が強く、言い換えれば緊張感が薄い。
・アクションが豊富で出来ることが多いが、その分やらなきゃいけないことも多いので、FPSに慣れていない人には難しく感じるかも。
・強化の有用度にかなり差があり、実際の選択肢はそれほど多くない。
・敵の種類が少ない。
・ダッシュで段差を降りると何故か大ダメージを受け即死するケースが多発する。なので階段は歩いて降りるべし。
・ノビツラ・カゲの最終形態をもうちょっと使いたかった。
・折角魅力的なシステムなのに未だDLCなどの
追加コンテンツの配信が無い。
・デフォルトの日本語字幕がクソ。有志が作ってくれた字幕と入れ替えるのをオススメ。

一言で言うと、「よくぞ作ってくださった」という感じ。
発売発表から15年以上経ってようやく発売されたDuke Nukem Foreverの前例から、
正直言ってこれもあまり期待していなかったが、いざ発売されてみれば丁寧に作られた名作だった。
特に刀に目を付け、そこに神秘の力を絡めて銃火器をも凌駕する主力武器として扱うようにしたのは特筆に値すると言っていい。
細かいバランスには改善の余地はあるものの、全体としてはよく作りこまれた名作だと思う。

Steamで体験版が無料でダウンロードできるので、興味が沸いた方は是非プレイして見てください。